sim

ピアノ工房アムズ【ピアノ・コレクション】じゃけん2006年10・12月

今月のピアノ・コレクション

岡山県北情報誌 「じゃけん」に「今月のピアノ・コレクション」というテーマで、世界のピアノをレポート。ピアノ工房アムズのスタッフによる監修のもと、アムズ・アトリエにて編集したものです。(ライター:松下真生)

ピアノピアノ工房アムズ

ザウター 160トラディション

製造国:ドイツ

[JAKEN]2005年10月号掲載

ザウター工房

ザウター 160トラディション

ピアノ製造の流派は18世紀に、「南ドイツ・ウィーン派」と「イギリス・フランス派」の2つの大きな流れに分かれ、以後それぞれ独自の発展を遂げてきました。現存する一流ピアノメーカーにおいては、ベーゼンドルファーとザウターだけが「南ドイツ・ウィーン派」の製造技術を継承しています。
その南ドイツ・ウィーン地方は、モーツァルトが愛用していたことからもよく知られるように古典派時代になってもクラビコードが多く愛用されていた地域であり、その地方で製造されるピアノは、一般に”珠が転がるような音”と形容される、敏感で若干線が細い響きが特徴となります。
「ザウターのピアノからは、創造性と共に安心感を与えられる」と、多くのピアニストの声を聞かされます。それは、すべての音階がしっかりと響き、安定した音作りができる信頼性が高いピアノであると、経験の豊富な調律技術者たちが口をそろえて語るところに、奏者への安心感を提供できる要素があるのです。
また、質実堅牢なポテンシャルに加え、響板はストラディバリウスが バイオリンの響板に使用した木材と同地域の同木材であるトウヒ材が使われていて、繊細で豊かな鳴りを聴けることも魅力の一つです。
1819年創業の伝統あるザウターピアノは、ウィーンの薫りをその音色と優雅な外観に託し、私たちを独特の世界へ誘い込みます。

dummy box
ピアノピアノ工房アムズ

シュタイングレーバー 168K

製造国:ドイツ
[JAKEN]2005年12月号掲載

 

シュタイングレーバー 168K

 

Kohsuke Jitsukata
■■東京のホームスタジオにて、
愛器168 Kを奏でる實方康介氏。

世界中のピアノに関する豊富な知識と経験から、多角的な視点で情報発信の一端を担う實方康介さん。その彼がご愛用のピアノは、コンパクトなサイズからはとても想像もつかない圧倒的な音量と豊かな響きを持つシュタイングレーバー168 Kです。
ワーグナー・ファンの聖地である、ドイツのバイロイトに工房を置く、小さなピアノメーカーであるシュタイングレーバー&ゾーネは、一貫したハンドメイドであって製品個体数が稀少で、あまり海外に流通していない上、ほとんど広告を行っていないため、1852年創業という歴史があるにもかかわらず、日本国内ではその名前はあまり知られていません。しかしながらヨーロッパにおいては、品評会などで高い評価を得る実績もあり、トップブランドという認識です。
シュタイングレーバー&ゾーネ社が開発した独自の構造を持つアップライトピアノは、鍵盤のコントロール性能が優れていてスピード感のある曲にも弾きやすさと聴きやすさをもたらします。モデルのサイズに関係なく高音部から低音部までしっかりと豊かで美しい音を奏でる造りは、制御のしやすい鍵盤と相まって、大型のグランドピアノの音以上のパフォーマンスが期待できます。
一方、グランドモデルは、数々の国際コンクールにおいて、有名メーカーを凌駕する功績を重ね、弾きやすさと聴衆の求める音色の調和のとれた製品をプレゼンテーションできている裏付けといえるでしょう。
演奏家やオーディエンスはもとより、流通業者や販売関係者が惚れ込むシュタイングレーバーのピアノ。調律技術者の思い入れも一入で、同社製品のもつ高いポテンシャルをどう引き出すか、シュタイングレーバーに出会うたびに情熱を注ぐ思いを再認識するといいます。
手作りならではの個体差があり、デリケートな音作りが魅力といわれる、このピアノをチョイスした實方さんですが、ピアノ工房アムズより納入以降も調律やメンテナンスサービスを東京のホームスタジオからご依頼くださるなど、より美しい音色を求めて、技術的な信頼をおよせいただいています。

dummy box
イラスト提供:ふわふわ。り
イラスト提供:ふわふわ。り